小説『体育館の殺人』ネタバレ解説考察 – 読者への挑戦

gymnasium_murder_withspoilers 小説 – ネタバレ解説考察

青崎有吾さんの小説『体育館の殺人』。
読者への挑戦ということで謎解きがメインになった作品ですが、犯人やトリックは見抜けたでしょうか。

私自身はちゃんと解明できたのは半分くらいでした。
少々納得できない点もあったのですが、作品自体は十分楽しめました。

この記事では推理やトリックの振り返り、気になった点などをまとめています。

ご注意:
この記事は作品の詳細な内容を含んでおり、重要なプロットのポイントや物語の結末について言及しています。未読の方はくれぐれもご注意ください。

『体育館の殺人』の主な登場人物

  • 裏染 天馬 (うらぞめ てんま)
    1. 2年生。百人一首研究部の部室を私物化し生活している変わり者の少年。
      アニメや漫画が好きで、端正な顔立ちと幽霊のような白い肌、やる気のない表情が特徴。
      中間テストでは9科目900点満点でトップの成績を収めている。アニメや漫画が好き。

  • 袴田 柚乃 (はかまだ ゆの)
    1. 1年生の女子卓球部員。袴田優作の妹。
      黒いセミロング髪と大きな瞳、細身で文学少女の雰囲気を持ちながら、卓球に打ち込む体育会系。

  • 朝島 友樹 (あさじま ともき)
    1. 3年生で放送部の部長。黒い前髪と真面目な外見の持ち主で、映像作品に対する情熱は人一倍。
      正義感が強く、決断力も備えている。

  • 正木 章弘 (まさき あきひろ)
    1. 2年生で生徒会会長。中間テストでは870点で全体2位。背は小さいが、姿勢の良さから自信が伺える。
      勉強だけでなく、程よく垢ぬけた風貌はで女子生徒からの人気も高い。

  • 八橋 千鶴 (やつはし ちづる)
    1. 2年生で生徒会の副会長を務め、中間テストでは学年3位。
      秋田美人を彷彿とさせる清楚な美しさ、艶やかな黒髪と潤んだ瞳が印象的な大和撫子。

  • 佐川 奈緒 (さがわ なお)
    1. 2年生で女子卓球部の部長。昨年、一年生ながら県新人戦シングルス8位入賞という快挙を成し遂げた才女。
      学業でも学年6位と文武両道。朝島殺しの容疑者として疑われていた。

  • 秋月 美保 (あきづき みほ)
    1. 2年生で放送部に所属。ショートのローレイヤー髪型で小柄でおとなしく、お人形のような愛らしさを持つ。
      事件解決の鍵となる重要な証言を行う。

  • 針宮 理恵子 (はりみや りえこ)
    1. 2年生で帰宅部の金髪の少女。鋭い目つきでギャル風ながら化粧は控えめ。
      過去には問題行動もあったが、現在は改心している。

  • 早乙 女泰人 (さおとめ やすひと)
    1. 1年生で吹奏楽部に所属。子どもっぽい瞳と低い背丈、女子と間違えられるほどの顔立ちで、おとなしく純情な性格。
      針宮理恵子と交際しており、事件解決のキーパーソンである秋月の目撃者。

『体育館の殺人』簡単ネタバレあらすじ

6月の梅雨の時期、旧体育館のステージ上で放送部部長の朝島の遺体が発見される。

神奈川県警捜査一課の仙堂警部と袴田優作刑事が捜査。
この体育館は出入口が施錠されていたか、人目につく場所にあり、事実上の密室となっていた。

各人への事情聴取、現場の状況から佐川奈緒の容疑が強まる。
柚乃はこれに激しく抗議、そして、生徒会副会長の八橋の助言で裏染天馬に協力を求める。

裏染は放置された傘の件から佐川の無実を証明。
裏染はその後、放送室の調査や各部活動部員アリバイ調査により、三条が犯人だと指摘する。
しかし、三条が犯人とした場合の密室トリックがうまくいかず、捜査はふりだしに。

早乙女の密告により秋月に容疑の目が向く。
しかし秋月は自分は犯人ではなく、朝島に言われて現場に来ていたと証言。
殺害直後の現場の状況を克明に語った。

裏染は関係者を集め自身の推理を披露し、犯人は生徒会長の正木と特定する。
正木はカンニングの現場を朝島に押さえられ、その証拠の取引の際、朝島を殺害していた。

事件解決後、裏染は八橋を問い詰める。
八橋は正木のカンニング行為を朝島に告発させることで、生徒会長の座を狙っていた。
この事件のきっかけを作っていたのは八橋だった。

八橋の思惑に反し、正義漢の朝島は正木の取引話に応じてしまい、結果、口封じのため殺されてしまった。

傘の論理

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旧体育館の男子トイレに残された男性物の傘の謎は、事件の解明に欠かせない重要な手がかりの一つ。

用務員の証言によると、昼休み終了時には傘は見当たらなかったため、傘が置かれたのは5時間目以降のことである。
放課後でもない限り、生徒が傘を持って校舎内のトイレに行くことは通常あり得ない。
旧体育館とはいえ校舎と屋根付き渡り廊下で繋がっており、雨天時でも傘なしで移動可能。

職員室の記録によれば、昼休み以降に遅刻してきた生徒はいない。
5時間目から放課後までの間に学校を出入りしたもの、つまり、早退した生徒、授業が早く終わった2年D組、教職員、不審者、の4種類の人間が傘を置き忘れることができた。

しかし、他のトイレが空いている状況でわざわざ不便で不衛生な旧体育館のトイレを使用する理由はなく、早退した生徒や2年D組の生徒を除外する理由になる。
加えて、教職員や来賓には専用のトイレがある。

事件は3時15分ごろ。5分と経たずに警察がやって来て初動捜査を行ったが、校内で不審者が発見されたという報告はない。
不審者の場合、その人物はすぐに学校から立ち去っている。
雨は午後4時過ぎまで降っており、雨が降っている外に出た時点で傘を忘れるなどあり得ない。

したがって、傘は忘れ物ではなく故意に置かれたもの。

授業時間中に傘を持ち、校内をうろつく可能性がある人物――
つまり事件に関与している何者かであり、後に名乗り出ない理由も、その人物が事件に大きく関わっていることを示唆してる。
この傘の持ち主は男性である可能性が高く、この人物こそが真の犯人である可能性が非常に高い。

犯人特定の推理 – 4つの条件

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裏染は犯人特定のための条件として、以下の4つを挙げました。

〈第一の条件・現役生で、旧体育館放送室の利用者であること〉
朝島の持ち物の収納場所のバランスの悪さから、放送室の鍵が犯行後に彼のポケットから抜き取られ、そして再び戻された可能性が高い。
犯人は放送室を利用しており、さらに放送室内でのDVD再生の状況は、犯人が放送室の詳細を熟知していたことを示唆している。

事件前日に演劇部はビデオデッキを使用しそのまま帰宅している。
事件後の警察の捜査でもデッキはいじっておらず、裏染たちが放送室の調査するまでデッキは前日のまま。
しかし、放送室調査時には共用リモコンのモード設定がDVDに変更されていた。
つまり事件前日の放課後から調査までの間に、何者かがDVDデッキを使っている。

コンセントはビデオの方につながれていたという事実から明らかに隠蔽の意図が見える。
DVDを見たのは朝島自身ではなく犯人と考える方が現実的。

朝島はDVDを2枚持っていたが、おそらくどちらのディスクにもタイトルが書かれていなかった。
一枚は犯人にとって都合が悪いもの、もう一枚はは放送部に関連した映像の可能性が高い。
2枚とも持ち去る、あるいは間違えた方を持っていけば、後の捜査により自分の首を絞めかねない。
そのため犯人は数分を犠牲にしてでもDVDの中身を確認する必要があった。

もともと旧体育館の放送室に映像機器はなく、2ヶ月ほど前に本校舎で使っていた古いものを移している。
一刻を争う中、DVDを見るため自然に放送室を利用したということから、犯人は放送室の事情に精通している。

さらに、リモコンは散らかった部屋の羊羹の箱の中に普段から収められており、調査時にも箱の中にあった。
初めて来た人間が簡単に探し出せるものではないが、室内を捜索したような痕跡もない。

教職員は増村以外アリバイがあり、残るは普段から旧体育館放送室を利用している演劇部員、生徒会役員、放送部員のみ。

〈第二の条件・三時十五分すぎまでアリバイのない人物であること〉
朝島が殺された推定時間は3時3分から3時十5分の間。

傘の論理から、トイレに残された傘は誰かが故意に置いていったもの。
その後の捜査でも傘の持ち主は現れなかったことから、犯人がこの傘を利用していたと考えられる。

事件当日は予報になかった大雨が降り始めたため、犯人が事件当日よりも前に傘を準備していた可能性は低い。
学校内で傘を手に入れたか、登校時に持っていたか、あるいは一度外出して傘を入手したか。

学校内で借りる、もらう、あるいは盗んで傘を手に入れた場合、警察の捜査の際に誰かが名乗り出るはず。
持ち主が不在にしても傘は新品同様の高級品で、いずれにしても手放したのは最近。
やはり持ち主が現れないのはおかしい。
学校内で傘を手に入れた可能性は否定。

裏門には二筋の足跡があったが、これは秋月と早乙女のもの。他に人の出入りはない。
正門と北門の防犯カメラに傘を2本以上持って学校を出入りする生徒は映っていなかった。
高校は周りを高いフェンスが囲っていて乗り越えることはできない。
以上のことから、登校時に持っていた、一度外出して入手した可能性も否定。

生徒たちが持ち込めた傘は、各々1本のみ。
秋月は傘をささずに体育館から出て行ったが、手ぶらで舞台裏に入っていったことからそもそも傘を持ち込むことができない。
つまり、置き去りにされた傘は犯人自身の持ち物である

では犯人はどうやって濡れずに外へ出たのか。
犯人は荷物を上手舞台袖にまとめて置いていた。
人を殺すのに傘は必要なく、まとめて置いていたものが荷物のすべて。
レインコートを着ていた可能性も秋月の証言により否定。

犯人は演劇部が運んできたリヤカーに身を潜め、下手の扉から体育館を出た。
犯人はトイレに隠れており、梶原と3条が舞台袖の方に行ったあと、青いビニールシートが被せられたリヤカーに乗り込んだ。
外側にいた志賀と松江はリヤカーに積まれた荷物の高さが邪魔して前が見えない状態。
人が乗った分重くなったことは、引っ張る人数が減ったことで重みが増したと判断される。

しかしスペースが狭く、靴を持つ手とビニールシートを持つ手が必要。
雨はビニールシートが防いでくれるため、傘を置いて行った。

演劇部員が扉からリヤカーを引き出したのは死体発見とほぼ同時刻。
犯人は3時15分すぎまで舞台裏から出ていない。

〈第三の条件・三時前からアリバイのない人物であること〉
〈二年D組の生徒であること〉

傘はポスターの上に置いてあり、ポスターに濡れた様子はなかった。
朝島のメモの通りに上手から入ったのであれば、外を通る必要があり、傘は濡れているはず。
犯人は渡り廊下を通って旧体育館に入った。

午後3時以降は佐川が体育館にいたため、犯人が入ったのは午後3時より前。
早退者はいないので、授業が早く終わった2年D組の生徒に限られる。

〈第四の条件・男子であること〉
トイレに置かれていた黒い傘は犯人のもので、防犯カメラに映っていた黒い傘をさした生徒は、全員男子。

これらの条件全てに当てはまるのは、生徒会長の正木ただ一人。

挑戦者の視点 – 私がたどった推理の軌跡

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私は読者への挑戦のセクションを迎えた段階で犯人は特定できましたが、密室トリックはわかりませんでした。

筆者の言葉から、文章中にある情報のみを参考にするとします。

秋月が死体を発見した時間が3時8分で、その後放送室から降りてくる足音。
秋月が外に出て犯人が扉を開けようとし、扉を叩いたのが3時14分前後です。

ここで時間的に犯行可能なのが、正木、椎名、巣鴨、蒔田。

乾いたポスターの上に傘が置いてあったのにポスターが濡れた形跡はなく、傘は濡れていなかった。
床が濡れていたような描写もなかったです。
犯人は渡り廊下から体育館に入った可能性が高く、佐川が体育館にいた3時より前に来ることができる人物。

この時点で2年D組の正木、蒔田に絞りました。

裏染によれば現場に残された男性物の傘は犯人のもので男性。
よって、正木が犯人。

傘についてはちょっと思うところもありましたが、蒔田が犯人だったとしたら保健室の供述があまりにもギャンブルだったので、犯人であればもう少しまともな嘘をつくだろうと思い、いずれにしても正木としました。

次に密室トリック。

警察の初動捜査で現場に怪しい人物はいなく、隠し通路や隠し部屋の記述もありませんでした。
つまり物語上では犯人は確実に外に出ています。

下手側は演劇部がおり、扉もリヤカーが塞いでいる。
ステージ前には佐川たちがいたので、上手側から出て何らかの方法で外から鍵を閉めるしかない。

正木は濡れていなかったし、じゃあ蒔田しかいない?
でも裏染は傘の件から犯人は男性と言っているので蒔田じゃない。

犯人正木はとりあえず決定として、どうやって鍵かけて濡れずに戻った?

と、こんな感じで密室トリックについては迷宮入りしました。

密室トリック推理過程での疑問 – リヤカーと傘

・リヤカー
傘が男子トイレにあったことから、下手側から出た方法も考えました。
事件後の演劇部の行動を再現する場面で、リヤカーに関して「スペースを余すことなく積み込まれているのが見て取れた。」って書いてあったので、人が乗れるなんて思いませんでした。

これダメじゃない?
正木が小柄とはいえ、この書き方だとさすがに乗り込んだとするのは無理がある気がします。
そして重さの件も、「人数が少なくなったから」としていましたが、仮に40キロ台だったとしても気づく可能性は高い思います。

・放置された傘
傘を置いていったのも個人的には謎。人一人乗れるスペースがあるのなら、多少デカくても傘くらい立てれば乗るでしょう。
シートを抑える手が必要でもリヤカーに乗るまでは靴も傘も持っていけます。
秋月に傘を見られてはいましたが、とりあえず持って出てしまえばいくらでもやりようはあります。

リヤカーを外に出すのか中に入れるのかは判断がつかないし、リヤカーを外に出したあとも演劇部の志賀と松江がどんな行動を取るかわかりません。
針宮から正木を見た証言がないことから、おそらく正木は針宮より早く体育館に来ており、この時は針宮が下手の外にいたことは知らないはず。
朝島の遺体がいつ発見されるかもわからない。

不確定要素ばかりの中、どうせ見つかったら終わりなのだから、状況的にわざわざ傘を残す必要はないと思います。

その他、気になった点

・ポスター
なぜ傘をポスターの上に置いた?
濡れてないにしても塗料がかすれて痕跡が残ったりして、何かが置いてあったと特定される恐れがあります。
実際は秋月に目撃され、どっちにしてもって感じでしたが、せっかく授業が早く終わって想定より時間に余裕がある中、わざわざそんなところに置く理由がわかりません。

・ほぼ即死
朝島の遺体を見た刑事は、「心臓を一突きでほぼ即死、苦しんだあともなく、ガキがやったとしたらずいぶん上手い手際だ」と言っています。
正木は過去に人を殺した経験や、訓練を受けた経歴でもあるんだろうか。
即死させなければ、苦しむ声やもがく音などが体育館にいた人間に聞こえてしまう危険性があります。

朝島は運動はさっぱりで殺しやすいかもしれませんが、確信に近い自信がなければ、あの時間あの場所で殺人を犯そうなど考えないでしょう。

・体育館という場所
上記に関連して、そもそもなぜ放課後の体育館なんていうシチュエーションを選んだのか。
内密な取引を行い、朝島を殺すつもりなら、足がつきにくい場所なんていくらでもあるはずです。
部活で人がたくさんくることもわかっています。
突発的犯行ではなく、事前に打ち合わせた場所での計画的犯行です。

また、この待ち合わせ場所は何日も前に決まっており、朝島が誰かに話してしまう可能性があります。
案の定、秋月に監視を頼んでいて決定的な目撃証言につながっています。

朝島にしても、秋月に電話した時になぜ正木の名前を言わなかったのでしょうか。
この人物は危険だ、油断ならない、と自分で言っているのに、名前も告げずに気の弱い秋月をそこに派遣するとか結構ひどいと思います。
秋月からしたら不安すぎます。

フェアを期すためだの正義漢だの、こんな形で人を巻き込むなら迷惑でしかありません。

・傘の調達と性別
裏染は最終的に、生徒たちが持ち込めた傘はそれぞれ1本ずつで、現場に残された傘は犯人のものとしていました。
これもご都合主義感がありました。いくらでも用意できる方法はあると思います。

例えば高いフェンスがあるとは言っても、敷地の周りに傘一本を通すスペースすらないとは思えません。
そんなフォックスリバー刑務所みたいな高校があるんだろうか。
高さがそれほどでもないなら、緩衝材でも巻いて投げ入れることもできます。

人に見つかるのを恐れるなら、生徒や教員が来る前の早朝に行えばいい。
明け方から雨が降っていたのなら時間的には可能なはず。
(正木の家がめっちゃ遠いならすみません。)

来賓や辞めた教職員、転校生が事件当日より前にたまたま置いていった傘があったかもしれない。
その場合、持ち主が現れなくて当然。
事務員の「見たことない」という証言も、学校内のすべての傘を把握などできないし記憶違いもあります。

そもそも事件が起こったのは6月の梅雨の時期です。
天候が変わりやすく、曇り予報でも予報が外れて雨が降る可能性など予期できます。
この時期に学校や職場に予備の傘を置いておくことは、とりわけおかしなことではありません。

事件当日より前に予め校内に傘を用意しておくことはできるし、当日でもカメラに映らず傘を学校内に入れることは可能。
とすれば、偽装工作のために女性が男性物の傘を使ったことは否定できません。

現実的に考えれば、裏染の論理は成り立たないと思います。
まあ成り立たないとしても秋月が現場にいた時点でほぼ詰んでいるので、それを前提とした推理だったとすればそうなんですが。

・死体の移動
朝島の遺体をステージに移動させたのは、「持ち物を探るのに暗かったから」と説明されていました。
これも疑問でした。

正木は旧体育館に詳しいですし、薄暗い部分が多いこともわかっています。
予定より早く来て上手袖隠れて不意を突くのなら、DVDが一枚だったとしても、暗いところで探らないといけなくなる場合もあることは考えられます。
カンニングのため職員室に忍び込んだときに、電気の場所がわからず苦労した経験もあります。

なのに何の対策もないというのはいかがなものでしょうか。

というか八橋に電話したというのは現場にいるときのはずなので携帯電話は持っていたはずです。
ガラケーだったとしてもライトの機能くらいありますし、画面の明かりでもいいです。

死体を移動させるという危険すぎる行動をする理由が「暗かったから」。
ちょっとリスク感覚バグってませんかね。

『体育館の殺人』感想・まとめ

いくつか引っかかったところ挙げてみましたが、こうしてみると正木のキャラがブレブレですね。
「謎を解くための材料は全て出そろった。」ということなので現実的な問題を持ち出すのは野暮かもしれませんが、やはり気にはなります。

普段は多少の矛盾点はそれほど気にならずスルーすることが多いんですけど、「読者への挑戦」だったので余計にそう感じてしまいました。

あともう一つ言わせてもらえれば、傘の件は全体的にかなり文章量を取っていたのに、犯人特定のための要素として重要度が低くなってしまったのが少し残念でした。
秋月の証言でほとんどの説明がついてしまったので。
推理の過程をリアルタイムに演出するという意味では良かったと思います。

私はアニメっぽい設定やキャラは気にならないですし、この記事で書いている印象ほど嫌いではないです。
批判が多くなりましたが、ロジカルな語り口も好きですし、続きも読んでいきたいと思います。

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