『ノワール・レヴナント』という作品はご存知でしょうか。
この小説は浅倉秋成さんの筆によるもので、不思議な能力を持つ高校生たちが織りなす群像劇です。
『六人の嘘つきな大学生』『教室が、ひとりになるまで』などが比較的有名な作品になると思いますが、この作品はまだ読んでないという方も意外に多いのではないかと思います。
長そうだから敬遠していた方も次に読む作品の候補にしてみてはどうでしょうか。
ご注意:
この記事には出版社のサイトや販売ページに掲載されている書籍情報、簡単なあらすじや登場人物、構成、テーマについての情報を含んでいます。ネタバレ無しですが、これらの情報が読書体験に影響を与える可能性がありますので、完全な初見で作品を楽しみたい方はご注意ください。
作品の概要
| タイトル | ノワール・レヴナント |
| 著者 | 浅倉秋成 |
| 出版社 | 講談社BOX 角川文庫 |
| 発行 | 初刊:2012年12月 文庫:2021年9月 |
| ページ数 | 768ページ |
| 推定読書時間 | 11.8時間~17.7時間 |
『ノワール・レヴナント』は浅倉秋成氏によるデビュー作。
2012年12月に第13回講談社BOX新人賞“Powers”を受賞し、輝かしいスタートを切った作品です。
浅倉氏はこの作品で文壇に華々しくデビューし、その後も『教室が、ひとりになるまで』や『六人の嘘つきな大学生』、『俺ではない炎上』など、数々の賞にノミネートされる作品を発表しています。
『ノワール・レヴナント』の受賞を皮切りに、本格ミステリ大賞や日本推理作家協会賞、山田風太郎賞、吉川英治文学新人賞、本屋大賞、ブランチBOOK大賞といった多岐にわたる文学賞でその才能を認められてきました。
あらすじ
すべての“偶然”が“必然”に変わる! 伏線が秀逸な、群像青春ミステリ。
KADOKAWAオフィシャルサイトより
僕は他人の背中に数字が見える。その人の今日の幸運レベルを示し、基本値は50。
しかしある日、同級生の弥生の背に85という数が!
ラッキーのおこぼれを期待して彼女と行動を共にした僕は、同じく妙な力を持つ仲間と出会う。
本を指でなぞって内容を記憶する。毎朝、今日聞くことになる台詞を予知する。
念じると触れたものを壊す――。僕たち4人を結びつけたのは、ある少女の死の謎だった。全ての偶然が必然に変わる群像青春ミステリ。
浅倉秋成氏のデビューの背景
浅倉さんはもともと読書家ではなく、小学生の時には本が読めないと思い込んでいたと語っています。
しかし大学時代に東野圭吾氏の『容疑者Xの献身』を読んだことがきっかけで「読める!」という喜びを知り、その他にも伊坂幸太郎さん、村上春樹さんなどの作品に触れることで読書への道が開かれました。
この経験から、自分が読みたいと思う小説、自分好みの小説を書くことが創作活動の出発点となりました。
デビュー当時は特に村上春樹さんの文章に影響を受けていたそうです。
漫画家を目指していた浅倉さんですが、自身の絵と描きたいシリアスな話がマッチしないと感じ、大学3年生の時に小説を書き始めます。
講談社BOX新人賞“Powers”への初応募は残念な結果でしたが、社会人になってから投稿した『ノワール・レヴナント』で見事受賞を果たしました。
浅倉さんはアニメが好きでライトノベルと一般文芸のボーダーラインにあるような作品を目指していて、その中で、講談社BOXから出版されていた『化物語』や『ひぐらしのなく頃に』など、アニメ化された作品への愛着も応募の動機となったようです。
浅倉さんの創作活動は、ご自身の趣味や好みが深く影響を与えています。
『ノワール・レヴナント』の特徴や見どころ

『ノワール・レヴナント』ははあらすじからもわかる通り、不思議な能力を持った四人の少年少女の物語です。
それぞれ違った個性を持つ彼らがその能力を背負った背景、それにまつわる謎。
少しずつ真実が明かされていく中で直面する困難や葛藤を丁寧に描いています。
この作品は社会的なテーマや人間の心理を巧みに織り交ぜながら物語が進行します。
現代社会が抱えるさまざまな問題や、人間の内面に潜む闇を浮き彫りにし、
物語を通じて自己の内面を見つめ直すきっかけにもなり得ます。
物語の見どころの一つとしては、謎が謎を呼ぶような巧妙に仕組まれた伏線です。
読んでいて気になっていた点がどのように回収されていくのか、最後まで目が離せない物語構成は、この小説を読む上での大きな楽しみの一つです。
口コミ – 『ノワール・レヴナント』の評価は?
『ノワール・レヴナント』は作品の複雑な伏線、心地よい文章、そして青春とミステリーが融合した独自の魅力を高評価とする読者が多くいます。
文章の流れやキャラクターの心理描写が細かく描かれている点なども評価されており、読み進める楽しさを感じさせているようです。
一方で、作品の長さや詳細な記述が読み進める上での障壁となっていると感じる読者もいます。
伏線の解明が不十分であるといった点や、物語の進行における明確さを欠いているとの意見も見られます。
また、登場人物のキャラクター性の好き嫌いが影響し、読み進めるのに苦労する方もいるようですね。
伏線の巧みな回収が読後感に深い満足感を与える。
文章が心地よく、物語にすんなりと引き込まれる。
青春とミステリーが絶妙に融合した独特の世界観。
心を動かすキャラクターの個性と成長に感情移入しやすい。
読み応えのある大長編ながら、一気に読める引き込まれる展開。
状況説明が長過ぎて途中で読むのが大変だった。
修飾語が多すぎて、本質的な内容に集中しにくい時があった。
物語のラストがやや不満足、もっと解明されることを期待していた。
ストーリーのキーポイントが説明不足で、納得いく理解が難しかった。
『ノワール・レヴナント』のネタバレ無し感想・まとめ
750ページオーバーという大長編『ノワール・レヴナント』。
何日にも分けて読んだので何時間かかったのかはわからないですが、読後の疲労感は意外と少なかったかもしれません。
ミステリーとしての純粋な謎解きを求めると少し物足りなさはあるものの、ストーリーやキャラは嫌いではなかったのか、読後感は概ねポジティブです。
物語内で散りばめられた伏線については、大体は予想の範囲に収まり、個人的には裏をかかれたような大きな驚きはありませんでした。
しかし改めて振り返ってみると、色々なところが連鎖的に繋がっていて「そういう狙いがあったのか!」と感じるところもあり、デビュー作と考えるとその後の作品に多くの可能性を感じさせる素晴らしい一作だと思います。
偉人の名言やクラシック音楽などの知識や雑学に触れられたのもよかったです。
知らないものも結構あって、教養パラメータが少し上がった気がしますね。
<特におすすめできる方>
浅倉秋成さんの作品が好きな方、興味がある方
青春物語とミステリーが好きな方
伏線の回収や考察を楽しみたい方
じっくりと一つの物語に入り込みたい方
この鈍器まがいのページ数を消費するのは文字通り骨が折れます。
気軽に手に取ってみてくださいとは言えませんが、まとまった時間ができた時にでもいかがでしょうか。
『ノワール・レヴナント』 – ネタバレ解説考察記事

