『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』は、大山誠一郎さんの巧妙なプロットと緻密な推理が光る本格ミステリー作品です。
この続編では、探偵・美谷時乃が再び難解な事件に挑み、その鋭い洞察力と論理的思考を駆使して真相を暴きます。
各事件の概要やアリバイ崩しについて解説していますので、復習や確認にどうぞ。
ご注意:
この記事は作品の詳細な内容を含んでおり、重要なプロットのポイントや物語の結末について言及しています。未読の方はくれぐれもご注意ください。
『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』登場人物
- 美谷 時乃 (みたに ときの)
- 本シリーズの中心人物であり、主人公の探偵。時計屋の店主を務める傍ら、アリバイ崩しも請け負っている。非常に鋭い洞察力と論理的思考を持ち、難解なアリバイトリックを見破る。
- 本シリーズの中心人物であり、主人公の探偵。時計屋の店主を務める傍ら、アリバイ崩しも請け負っている。非常に鋭い洞察力と論理的思考を持ち、難解なアリバイトリックを見破る。
- 「僕」
- 物語の語り手。警察として守秘義務違反とわかっていながらも、難解な事件を解決できず時乃を頼る。その能力に深い信頼を寄せる一方、淡い恋心も抱いている。
- 物語の語り手。警察として守秘義務違反とわかっていながらも、難解な事件を解決できず時乃を頼る。その能力に深い信頼を寄せる一方、淡い恋心も抱いている。
第1話 時計屋探偵と沈める車のアリバイ

概要
被害者・藤村孝蔵が車ごとダム湖に沈められて溺死しているのが発見されました。
現場の湖面に下る斜面の土には車のタイヤ跡が残っており、他殺の可能性が浮上します。
藤村孝蔵は那野市巴町に住む初老の男性で、元人材派遣会社の経営者です。
事件当時は引退しており、悠々自適な生活を送っていました。
死亡推定時刻は4月4日の午後5時から7時とされてました。
彼の自宅向かいにある店の監視カメラの映像から、少なくとも午後5時までは孝蔵の車が自宅に止まっていたことが確認されます。
自宅から久院ダムまでの距離を考えると、孝蔵がダムに到着したのは早くても午後6時と推定され、犯行時刻は午後6時から7時の間であると考えられました。
また、胃の中からは睡眠薬が検出され、肺を満たしていた水を分析したところ、久院ダムの水に含まれる珪藻類や緑藻類が確認されました。
第一容疑者として浮上したのは藤村孝蔵の甥・藤村裕樹。
裕樹は叔父から相続する財産、特に会社売却で得た五億円を動機に殺害を計画した可能性があります。
藤村裕樹のアリバイ
裕樹は事件当日の午後6時前から午後10時ごろまで友人宅で麻雀をしていたと主張し、友人たちもそれを証言しました。
これにより、彼には完璧なアリバイが成立しているように見えました。
アリバイ崩し
時乃は裕樹がロードバイク同好会に入っていたこと、ロードバイクを持っていることに着目し、そこから推理を組み立てました。
事件当日の午後8時頃から1時間ほど強い雨が降り、通常であればタイヤ跡は消えてしまうはず。
しかし、現場にはタイヤ跡が残っていたため、車がダム湖に沈んだのは雨が止んだ午後9時以降であるとし、孝蔵が死亡したのは、車がダム湖に沈んだためではないと推測します。
裕樹はあらかじめ用意しておいたダムの水を使い、ロードバイクで孝蔵の自宅に行き、睡眠薬を飲ませて眠らせた後、溺死させました。
友人宅に行く前の午後5時台に殺害を完了させ、その後、死体と分解したロードバイクを車に乗せて友人宅に向かいます。
午後10時まで麻雀をしてアリバイを確保した後、車でダムに向かい、車ごとダム湖に落とし、帰りは一緒に積んでいたロードバイクで帰宅しました。
動機
動機は、叔父である藤村孝蔵が会社を売却して得た五億円の遺産を相続するためでした。
第2話 時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ
概要
事件の被害者は戸村政一の秘書である名越徹。彼の遺体が河川敷で焼死体として発見されました。
容疑者となる戸村政一にはパーティ出席者500人が全員証人となる鉄壁のアリバイが存在し、事件の解明は困難を極めます。
7月22日の朝6時過ぎ、犬を連れて河川敷を散歩していた近所の老人が発見。
死体から5メートルほど離れたところにあった鞄の中の名刺から身元が判明。名刺には「衆議院議員戸村政一秘書 名越徹」と記されていました。
燃やされた痕跡から灯油が使われたと推測されますが、燃料容器や点火具は現場に見つからず、他殺の疑いが強まります。
死亡推定時刻は7月21日午後6時から9時の間。
死因は撲殺。遺体の後頭部に殴られた跡があり、脳挫傷が確認されました。
名越は午後6時から8時まで戸村政一が主催するパーティに出席。途中、父親が倒れたとの電話を受けて6時31分に会場を退席します。
6時33分にホテルロビーを出て、6時35分に車で駐車場を出ますが、その後の行方は不明です。
名越が受けた電話は嘘であり、父親は元気でした。電話はプリペイド携帯からかけられ、発信者不明です。
胃の中の消化途中のイタリア米リゾットはパーティ会場で提供されたものと一致。
そしてもう一つの事件が起こります。
百川町のマンションで安本孝之の撲殺死体が発見されます。パーティ券の領収書が残されており、パーティに出席していた模様。
戸村のアリバイ
名越が戸村の弱みを握っていた可能性と、名越の死体を見た時の戸村の「灯油」発言から、戸村が容疑者に挙がります。
しかし戸村は、午後6時から8時までパーティ会場におり、500人の証人がいました。
アリバイ崩し
時乃は、名越に「父親が倒れた」という電話がかかってきたのは、名越自身が仕組んだものではないかと考えました。
この電話はプリペイド携帯から発信され、発信者不明とされています。
名越が自ら電話をかけ、パーティ会場を一時的に離れるための口実を作ったと推理しました。
名越は午後6時31分にパーティ会場を出た後、安本孝之に変装して再び会場に戻りました。
彼は会場内を歩き回り、安本に変装した姿を多くの人に印象付けることで、偽のアリバイを作り出しました。
パーティが終了する直前、名越はイタリア米のリゾットを食べました。
これは胃の中にリゾットの消化途中の状態を残すためのもので、これにより、名越がパーティ会場を出た後に殺害されたという錯覚を作り出すことができました。
名越は午後6時31分に会場を出てまもなく殺されたと思われているので、これで戸村のアリバイが成立します。
パーティ終了後、戸村は名越を撲殺しました。
名その後、戸村は名越の変装の痕跡を消すために、遺体に灯油をかけて焼却しました。
さらに、戸村は名越の変装を補完するため、あらかじめ拘束していた安本をも殺害しました。
安本はパーティに出席したことになっているので、胃や十二指腸にパーティで提供された食べ物が見つからなければ不自然です。
これを隠すため、長時間の拘束で胃や十二指腸を空にした後に殺す必要がありました。
真相・動機
戸村政一の動機は、名越と安本の両者に対する脅迫と利害関係に起因します。
2年前、戸村がひき逃げ事件を起こし、その事実を名越が握っていました。
名越はこの弱みを利用して、戸村の地盤を譲り受けようと画策します。
戸村は自分の政治的キャリアと家族の未来を守るため、名越の要求を断ることができず、名越の殺害を決意しました。
安本は名越に似ていたため、名越の偽のアリバイを作るために利用されました。
安本は事件に直接関与していない無関係な人間でしたが、名越を装うために必要な駒として選ばれ、最終的には口封じのために殺害されました。
戸村は自分の弱みを握っている安本を殺すため、名越に協力を依頼しました。
もちろんこれは本当の目的である名越殺害を遂行するための嘘です。
ひき逃げをしたことを知っている名越は、さらに戸村の弱みを握ることができると考え、共犯を承諾。
名越は自分が共犯として利用されているとは気づかず、戸村の策略に嵌っていきました。
第3話 時計屋探偵と一族のアリバイ

第一の事件の概要
被害者の富宰健一は、自宅のリビングでナイフにより刺殺されました。
死亡推定時刻は、9月16日の午後2時から4時の間。
捜査班は富宰健一の殺害が遺産相続に絡んだものである可能性を考えます。
富宰の親族である三人、宇川蒔絵、朝倉正平、井田泰明が容疑者として浮上しました。
宇川蒔絵
アリバイ: 9月16日午後は舞黒市時ケ原の別荘におり、午後1時から2時半まで一人で散歩をしていた。
裏付け: マネージャーの岡野燈子が蒔絵の行動を確認。午後2時以降、富宰の家までの往復時間を考慮するとアリバイが成立する。
朝倉正平
アリバイ: 午後1時から1時50分まで友人と回転寿司店で昼食、その後午後4時10分まで自宅にいた。午後3時過ぎに宅配便を受け取った。
裏付け: 友人の柿崎功、寿司屋、喫茶店の証言。宅配便の配達票に朝倉の指紋とサインが確認された。
井田泰明
アリバイ: 午後2時半から3時半まで自宅で友人の笠木明とビデオチャットをしていた。
裏付け: 笠木の証言。ビデオチャットのIPアドレスが井田の自宅から発信されていたことが確認された。
アリバイ崩し
時乃は「僕」に追加で調査を依頼します。
調査により、朝倉が伝票を受け取ってサインしたとき伝票を下敷きのようなものの上に置いてサインしたこと、そのとき朝倉はサングラスをしていたことが判明します。
朝倉が午後3時過ぎに宅配便を受け取ったとされるのは、配達票に彼の指紋が付き、受領印欄に朝倉のサインがあるためです。
しかし、時乃はこの受領に不自然な点を見出します。
あらかじめ朝倉の指紋を付け、朝倉のサインをしておけば、宅配便を受け取ったのは替え玉でも問題ありません。
宅配便を送った江島は、朝倉の共犯者でした。
朝倉は、不可視インクを利用し、宅配便を受け取ったのは替え玉なのに、朝倉が受け取ったように偽装していました。
午後2時から4時のあいだを指定して受け取れば、いずれの時間で犯行時間的にアリバイが成立します。
朝倉と江島の供述
配達票の受領印欄に記されたインクを鑑識で調べてもらうと、インクは熱を加えると消え、冷やすと復活する特殊なボールペンのものであることが判明しました。
江島に話を聞くとあっさりと自供。
江島は朝倉に頼まれた行動の本当の目的を知らず、推理小説のトリックの実験と言われて協力していました。
朝倉はシェフを辞めたあとお金に困っており、遺産目的で叔父を殺そうとしました。
しかし朝倉が言うには、自分が叔父の家に行った時、すでに叔父は殺されていたといいます。
朝倉は刃物恐怖症であり、調査の結果それは間違いないとし、容疑者から外れました。
第二の事件の発生
10月8日の午後14時過ぎ、宇川蒔絵から110番通報があり、朝倉正平の遺体が発見されました。
朝倉の死亡推定時刻は10月8日の午前0時から1時頃。
凶器のナイフは、富宰健一殺害に用いられたものと同一の種類で、ナイフには指紋が付着していませんでした。
朝倉は、事件直前にいとこである宇川蒔絵と井田泰明のどちらとも通話していました。
宇川蒔絵のアリバイ
死亡推定時刻は自宅で寝ており、明確なアリバイはなし。
10月7日午後9時2分に朝倉に電話をかけ、4分間通話。
井田泰明のアリバイ
死亡推定時刻は自宅にいたと主張。
10月6日午後10時37分に朝倉に電話をかけ、5分間通話。
アリバイ崩し
時乃は、朝倉が刃物恐怖症であることを明かしたのが遅すぎた点に着目します。
刃物恐怖症であることを明かさなかったために、朝倉さんは容疑者から外されず、ついには捜査陣に替え玉トリックを見破られることになりました。
せっかく実行したアリバイトリックを見破ってほしかったなんてありえません。
とすれば、考えられることはただ一つ。替え玉によるアリバイトリックは実行されなかったのです。
朝倉の自宅で宅配便を受け取ったのは、本当は朝倉さん本人でした。
朝倉が富宰健一の家に行った際、リビングを覗いただけでは遺体に気づかなかったとされていますが、現場状況から見てこれは不自然です。
時乃は、朝倉が実際には現場に行かず、現場の様子を聞いて知ったと推理しました。
替え玉トリックによって得られたアリバイは朝倉だけでなく、替え玉を務めた江島にも成立します。
江島にこのようにアリバイを与えたのはなぜか。
それは江島こそが、富宰健一を殺害した犯人だったからだとしか考えられません。
真相・動機
9月16日の午後2時から4時の間、江島は富宰健一の家に上がり込み、ナイフで殺害しました。
一方、朝倉は自宅で宅配便を受け取り、実際には行われなかった替え玉トリックを実行したかのように見せかけました。
朝倉のアリバイが崩されることで、実行犯である江島にアリバイが成立。
第一の事件のアリバイは、崩されることで完成する構造になっていました。
朝倉と江島は、かつて働いていたレストラン「シェ・フカミ」での不正をネタに、富宰健一から恐喝されていました。
朝倉は富宰を殺害しようと計画し、アリバイ工作を行いましたが、実際には江島が殺害を実行しました。
江島は、富宰健一を殺害した後、共犯者の朝倉が裏切る可能性を恐れ、彼を殺害しました。
第4話 時計屋探偵と二律背反のアリバイ
同じ時刻に離れた場所で起きた二つの事件が発生。どちらの事件でも中石純一が容疑者として浮かびました。
事件1: 那野市連城町の閑静な住宅地
- 現場: 二階建ての一軒家のリビングルーム
- 被害者: 中石沙都子
- 状況: 沙都子はリビングルームで仰向けに倒れており、左胸を刺されていた。血で汚れたナイフが近くに落ちていた。沙都子は一年前から夫の中石純一と別居しており、一人暮らし。
- 発見者: 友人の三好幸恵
- 死亡推定時刻: 11月4日午後9時から11月5日午前3時頃
- 死因: ナイフによる刺殺
- 補足情報: 胃の内容物の消化状態から、食後約5時間後に死亡。〈和のとき〉で午後5時から6時にかけて夕食を取っているので、死亡推定時刻は午後11時頃。
- 目撃情報: 午後11時頃、現場近くで中石に似た人物が目撃されるが、顔は確認されていない。
事件2: 東京の大田区三木町
- 現場: マンション〈カーサ彦根〉の401号室
- 被害者: 河合亜希(中石純一の愛人)
- 状況: 亜希は寝室で倒れており、左胸を刺されていた。血が大量に流れ、絨毯にまで広がっていた。ナイフが近くに落ちていた。
- 発見者: 亜希の母親(11月5日午後2時頃に発見)
- 死亡推定時刻: 11月4日午後9時頃
- 死因: ナイフによる刺殺
- 補足情報: 胃の内容物の消化状態から、食後約二時間後に死亡。〈マルセイユ亭〉で午後8時から9時にかけて夕食を取っているので、死亡推定時刻は午後11時頃。
- 目撃情報: 午後11時頃、〈カーサ彦根〉で中石に似た人物が目撃される。
2つの現場は車でも、電車と徒歩を組み合わせても1時間30分はかかり、同時刻に二人を殺害することは絶対に不可能です。
アリバイ崩し
アリバイを崩す糸口となったのは、沙都子は花が好きで、ずっと花屋で働いていたけれど、最近、からだを悪くして辞めた、という友達の証言。
介護福祉士を目指したいと言っていたなら、腰を痛めたのではなく、アレルギーを発症したと推理します。
『秋が嫌いになった』という発言から、秋の花で強いアレルギー反応を引き起こす菊に対するアレルギーが疑われます。
とすると、菊の花が飾られていた〈和のとき〉のカウンターで沙都子が食事をすることは不自然です。
一方、亜希の方にもおかしなところがあります。
亜希が母親に作って欲しいと頼んだキッシュ・ロレーヌ。
これからフランス料理店に入り、キッシュロレーヌを食べようとしているのに、翌日にも同じ料理を食べようとするのは不自然です。
沙都子の偽者を務めていたのは亜希、亜希の偽者を務めていたのは沙都子。
この日、両者は入れ替わって行動していました。
〈和のとき〉で午後5時から6時に夕食を取ったのは亜希、〈マルセイユ亭〉で午後8時から9時に夕食を取ったのは沙都子です。
亜希は食後2時間で殺害されているから、本当の死亡時刻は午後8時頃。
沙都子は食後5時間で殺害されているから、本当の死亡時刻は翌日午前2時頃。
中石は両方の事件を実行することが可能となります。
胃の内容物は、それぞれに一部の食材を避けて食べるよう指示し、どこで食べたか区別できないようにしていました。
真相・動機
中石は、沙都子に亜希殺害の共犯を、亜希に沙都子殺害の共犯を依頼していました。
入れ替わりと食事の時間を利用して、2人とも午後11時ごろに殺害されたと見せかけていたのです。
さらに亜希宅近くで中石が目撃され、沙都子宅近くで沙都子が中石に変装して目撃されることで、午後11時頃が死亡推定時刻という思い込みを強め、中石には二律背反のアリバイが成立します。
中石は、沙都子と亜希の二人の女性が重荷となり、双方を殺害する動機を持っていました。
第5話 時計屋探偵と夏休みのアリバイ

概要
時乃が高校2年生の夏休み、美術部員の桐山周が制作中の石膏像が金槌でばらばらに壊されるという事件が発生しました。
時間は午後1時から1時40分の間、場所は那野高校の美術部室。
桐山は片瀬有里ともう一人の後輩とともに、午前9時過ぎから美術部室で部活動をしていました。
午後1時、桐山は有里たちとともに学食に昼食を食べに行くため、美術部室のドアにダイヤル錠をかけて施錠し、学食に向かいます。
午後1時40分、部室に戻った際、桐山がいつもの癖で回したはずのダイヤル錠が違う番号になっていました。
部室に入ると、石膏像が無数の破片に砕け散っており、横には金槌が転がっていました。これだけばらばらにするには5分はかかります。
桐山は有里ともう一人の部員に職員室に報告に行くよう頼みました。
一方、茶道部では、部長の漆原玲子は午後12時57分に茶道部の茶室に現れましたが、自転車の鍵を忘れたと言ってすぐに茶室を離れました。
午後1時過ぎに美術部室の近くで漆原を見かけたという目撃情報がありますが、漆原が茶室を離れていたのは6分ほどであり、美術部室に行って石膏像をばらばらにする時間はなかったとされています。
時乃は漆原のアリバイを崩せず、祖父に相談します。
アリバイ崩し
桐山はなぜ、有里ともう1人の部員を2人とも職員室に行かせたのか。
犯人はなぜ、現場に金槌を残していったのか。
桐山は一人きりになって金槌を使うため、そして、金槌を残していったのは犯人は、桐山に一人きりになって金槌を使わせたかったと推理。
石膏像は台の上で壊されたのではなく、別の場所で粉々に壊され、その破片が台の上に移されたと祖父は考えます。
実は同じ石膏像が2体あり、桐山は二体目をあらかじめ別の場所で粉々にしておき、それを共犯者に壊されていない一体目とすり替えてもらいました。
桐山は後輩たちが職員室に行っている間に金槌で台を叩いてくぼみや傷をつけ、そこで石膏像が壊されたように偽装。
粉々にするのは時間がかかるが、すり替えるのはわずかな時間で済むため、この時間差を利用して、共犯者にもアリバイを与えることができました。
真相・動機
当日の午後1時、桐山は後輩二人とともに美術部室を出て学食に行きました。
その直後、共犯者である漆原玲子が部室を訪れ、桐山の一体目の石膏像を取り上げ、部室の中にある他の石膏像の中に紛れ込ませます。
そして部室に隠されていた二体目の破片を取り出し、破片を台の上にばらまいて立ち去りました。
桐山は午後1時40分に部室に戻り、破片を発見。
後輩二人を職員室に行かせた後、金槌で台を叩いてくぼみや傷をつけ、そこで石膏像が壊されたように偽装しました。
桐山は高校生の彫刻コンクールで何度も金賞を取っており、次も金賞を取らなければならないというプレッシャーがありました。
今作っているものでは金賞は取れないと思い込み、自分の石膏像を壊してしまうことに。
漆原玲子は桐山と交際しており、桐山の不安を解消するため、アリバイ工作を引き受けました。
『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』ネタバレ感想
さてさて今回も難しかった。
今回もしっかりバシッと当てられたのはなかったです。
4話5話あたりはもう少しだったんですが。
やはり、警察が隅々まで捜査してればいずれはわかったのでは?というものもありましたけど、前作よりは全体的に洗練されていた気はしました。
「また共犯か…」というのは否めませんでしたが。
時乃と僕は一応進展してましたね。終わり方を見るとまだ続く感じでしょうか。
最終的にはキャラクター周りもうまく終わってほしいなと思いますね。
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