『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は相沢沙呼さんによるミステリー小説で、城塚翡翠シリーズの幕開けとなる作品です。
2019年に講談社から単行本として発表されたこの作品は、その後2021年に文庫化され、読者層を広げています。
第20回本格ミステリ大賞をはじめとする数々の賞を獲得し、ミステリランキングで5冠を達成しました。
実はこの作品、華々しくたくさんの賞やランキングで高い評価を得ている裏で、大変多くの死亡者を出したようです。
この話題作の何が凄いのか、ネタバレなしで詳しくお伝えします。
ご注意:
この記事には出版社のサイトや販売ページに掲載されている書籍情報、簡単なあらすじや登場人物、構成、テーマについての情報を含んでいます。ネタバレ無しですが、これらの情報が読書体験に影響を与える可能性がありますので、完全な初見で作品を楽しみたい方はご注意ください。
城塚翡翠シリーズの始まり『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
| タイトル | medium 霊媒探偵城塚翡翠 |
| 著者 | 相沢沙呼 |
| 出版社 | 講談社 講談社文庫 |
| 発行 | 初版:2019年9月 文庫:2021年9月 |
| ページ数 | 496ページ |
| 推定読書時間 | 5.9時間~8.9時間 |
| シリーズ | 城塚翡翠シリーズ |
| 次作 | invert 城塚翡翠倒叙集 |
物語はプロローグ、エピローグ、そして全4話のエピソードから構成されており、各話の間には「インタールード I~III」が挿入されています。
連作短編集のような雰囲気を醸し出していますが、一貫した長編としての魅力も持ち合わせています。
タイトルについては、当初『霊媒探偵 城塚翡翠』とする予定でしたが、より幅広い読者層に訴求するために『medium』という言葉が加えられました。
カバーイラストは遠田志帆さん、ブックデザインは坂野公一さんによるもので、初版の帯は「すべてが、伏線。」というフレーズで飾られています。
このについては本人は当初ハードルの上げすぎということで難色を示していましたが、その挑戦的なフレーズは結局、読者を引きつける効果があったようです。
2022年には日本テレビ系「日曜ドラマ」枠でテレビドラマ化もされています。
第20回本格ミステリ大賞受賞
このミステリーがすごい! 2020年版 国内編 1位
2020本格ミステリ・ベスト10 国内ランキング 1位
Apple Books「2019年ベストブック」 ベストミステリー
2019年SRの会ミステリーベスト10 1位
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』あらすじ
死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。
講談社BOOK倶楽部
心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。
証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。
だがその魔手は彼女へと迫り――。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!
『medium』制作の舞台裏 – 相沢沙呼の挑戦と情熱
著者の相沢沙呼さんは『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の執筆に当たり、初めて「殺人事件」をテーマにした本格ミステリに挑戦しました。
これまで「日常の謎」を中心に執筆してきた相沢さんにとって、この作品は新たな領域への一歩でもありました。
ご本人曰く、過去の作品で思うように評価が得られなかった経験から、「ミステリを書く才能がないのではないか」という疑念を抱えていたそうです。
しかし、『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補に選ばれたことが転機となり、ミステリーへの情熱を再燃させました。
本格ミステリを愛する人々への感謝の気持ちを胸に、『medium』の創作に取り組んだのです。
『medium』の制作過程では従来の「日常の謎」から一歩踏み出し、殺人事件を扱うことで、自らの創作の幅を広げました。
マジックと奇術の理論をミステリーに応用することで、「誰かに話したくなるような」作品を目指しました。
このアプローチは、『medium』が持つ衝撃の真相や丹念に張られた伏線、ロジックを生み出す重要な要素となっています。
本作が「このミステリーがすごい!2020年版」で1位を獲得したことは、相沢さんにとって10年間の創作活動の集大成であり、新たな自信へと繋がったのだと思います。
『medium』の魅力 – 小悪魔霊媒と論理の融合

この作品を語る上で外すことができないのが霊媒師・城塚翡翠です。
とにかくかわいい、あざとい。
黒髪ロングに翡翠色の瞳。
一見すると清楚で控えめな美少女ですが、香月史郎に対してのちょっとした言い回しや仕草は、彼女の持つ小悪魔エッセンスが感じられます。
その一方で、霊媒としての真摯な姿勢や強い意志も感じられるので、そのギャップにやられる読者は多いでしょう。
かわいらしさとあざとさ、そして真面目さが三位一体となったなかなかのぶっ壊れキャラです。
また、ミステリー小説の醍醐味である「覆される快感」を次のレベルに引き上げるプロットも本作の大きな見どころです。
「すべてが、伏線。」というキャッチフレーズの通り、終わりに向かって一つ一つのピースが組み合わさり、読者を驚かせます。
読み終わった後にあの時のあのシーンも、と気づかされると思います。
超常的な力で謎を解くなんてミステリ好きとしては面白くないかもしれません。
霊媒とかいうオカルト特殊設定はあんまり…という方でも、最後まで読むことでこの作品の評価は大きく変わります。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の口コミ
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』はAmazonでの総合評価はとても高く、評価数も十分です。
星5つの評価が大多数を占め、星4つも合わせればほとんどの方が高い評価をしています。
一方で、星3つ以下の評価ももちろん存在し、一部の読者には合わない側面もあるようです。
高評価の口コミでは、キャラクターの魅力やプロットの巧みな展開、そして「すべてが、伏線。」というコンセプトに基づく伏線の見事な回収が称賛されています。
低評価の口コミでは、物語の深みの不足やラブコメ要素の過多、予想がつきやすい、キャラクターの描写に対する不満が指摘されています。
また、一部の読者はオカルト要素や非現実的な展開について興ざめしたとの感想を持っています。
ミステリーに詳しかったり、たくさん作品に触れてきたファンの中には、ミステリー作品として楽しめなかった方々もいるようですね。
エピローグで心が救われる展開が素晴らしい。
終盤のあっと驚く結末には唖然。
翡翠のキャラが魅力的で光っている。
最後のどんでん返しは読んでて驚き。
伏線からの回収が見事で感動した。
章ごとの事件が浅く感じた。
ラブコメ要素が多くハマれなかった。
最後の盛り込み感に少し興ざめした。
「すべてが伏線」のオチが予想通り。
キャラが美人強調で鬱陶しかった。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』感想まとめ
個人的には謎解きというより、エンターテインメント的側面に楽しませてもらったという感想です。
ガチガチの本格ミステリを望むのであれば、期待外れというのもちょっとわかる気がします。
実際私も犯人の予想はつきましたし、割とライトな感覚で臨んだ方が楽しめると思います。
タイトルにもなっているキャラクター、城塚翡翠については賛否ありますが私は好きです。
相沢さんの作品は基本好きなんですが、登場人物自体がどうこうよりも、描写の仕方が少しくどいなーという印象を受けるときがあります。
本作でもあのあざとさがなんか鬱陶しいと思う瞬間もありましたが、最後まで読んでみれば、という感じ。
ラノベチックなところがあるので、そこに抵抗がなければ広い層におすすめできると思います。
どちらかと言えばやはり男性の方が向いてますかね。
ドラマも配信されていますが、できれば原作小説を先に読むのがおすすめ。
ドラマの方ではキャラがマイルドになっていた気がしたので、せっかくなら物語のオチを知る前にホンモノの城塚翡翠を堪能してほしいなと個人的に思います。
もちろんドラマはドラマでよかったですよ。
<特におすすめしたい方>
キャラクターの魅力に引き込まれたい方
どん底に突き落とされるような感覚を味わいたい方
オカルト要素を楽しめる読者
若い読者やミステリー初心者
近年読んだ中では、記憶をなくしてもう一回読みたい系の作品として心に残りました。
もう結構満足ではあるんですけど、続編も出ているので手を出してみようと思います。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 – ネタバレ解説考察記事

