ネタバレ無し|小説『魔眼の匣の殺人』感想レビュー

murder_house_devils_eye_spoilerfree 小説 – 紹介レビュー

デビュー作『屍人荘の殺人』で読者を魅了した今村昌弘さんのシリーズ続編『魔眼の匣の殺人』。

前作が大ヒットしただけに、その重圧は相当なものだったと思います。
ファンからの期待が高まっている中、どのような作品になったのか。

この記事はまだこの作品を手に取っていない方、次の読書選択に迷っている方向けにネタバレ無しで作品紹介しています。

ご注意:
この記事には出版社のサイトや販売ページに掲載されている書籍情報、簡単なあらすじや登場人物、構成、テーマについての情報を含んでいます。ネタバレ無しですが、これらの情報が読書体験に影響を与える可能性がありますので、完全な初見で作品を楽しみたい方はご注意ください。

期待の続編『魔眼の匣の殺人』作品概要

タイトル 魔眼の匣の殺人
著者 今村昌弘
出版社 東京創元社 創元推理文庫
発行 初版:2019年2月 文庫:2022年8月
ページ数 428ページ
推定読書時間 5.7時間~8.6時間
シリーズ 屍人荘の殺人シリーズ
前作 屍人荘の殺人 – 紹介記事
次作 兇人邸の殺人 – 紹介記事

『魔眼の匣の殺人』は、今村昌弘さんによるミステリー小説で、2019年2月に東京創元社から出版されました。
本作は『屍人荘の殺人』に続くシリーズ第2作目で、デビュー作である『屍人荘の殺人』が受けた数々の賞やランキングでの高評価を受けての続編です。
作品のカバーイラストは、前作に引き続き遠田志帆さんが担当しています。

物語は「班目機関」と呼ばれる謎の研究組織と、その組織が関与するとされる一連の不可解な事件を軸に展開します。
主人公である新生ミステリ愛好会の会長・葉村譲と、会員の剣崎比留子が、複雑に絡み合う謎を解き明かしていく過程が描かれています。

この作品は「2020本格ミステリ・ベスト10」で第2位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第3位、「このミステリーがすごい!2020年度版」で第3位、「ミステリが読みたい!」第3位と、多くのミステリーファンや批評家からの高い評価を獲得しています。

『魔眼の匣の殺人』のあらすじ

「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」
人里離れた施設に暮らし、預言者と恐れられる老女は、その日訪ねた葉村譲と剣崎比留子ら九人に告げた。
直後、彼らと外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちて脱出不可能に。
予言通りに一人が命を落とし、さらに客の女子高生が予知能力者と判明して慄然とする葉村たち。
残り48時間、死の予言は成就するのか。

東京創元社

『魔眼の匣の殺人』製作の裏側

『魔眼の匣の殺人』の製作背景には、作者・今村昌弘さん自身の思いと、作品を読む全ての人に楽しんでもらいたいという願いが込められています。
今村さんは前作『屍人荘の殺人』に続き、今回も自分が心から楽しめるモチーフを選んだと語っています。
それが「予知能力」という、ミステリー作品においてはある種挑戦的なテーマでした。

予知能力を題材にすることでストーリーは避けられない論理ゲームへと発展し、その結果、論理の穴を埋めるためには複雑な説明が必要になるという課題に直面しました。
今村さんは、本格ミステリーのファンならばついてこれるだろうと考えつつも、途中で読むのを諦めてしまう人が出てくることを懸念しました。

そのため、最終的な謎解きだけでなく、物語を通じて読者が楽しく読み進められるよう、幾度となく書き直しを重ねたそうです。
今村さんにとって、ミステリーファンではない方にも苦痛なく読んでほしいという思いは、ミステリーの魅力を伝える上で非常に重要なことでした。

『屍人荘の殺人』と同様に、『魔眼の匣の殺人』も、まずはギミックから発想を始め、その後でそれをどのように物語に組み込むかを考えていったとのこと。
予知能力というモチーフをどう活用するかには苦心したものの、最終的にはそれをミステリーの醍醐味として機能させる方法を見出しました。

今村さんは、読者が登場人物と一緒になれる体験を重要視しているとも述べています。
本格ミステリーでは読者にも同じ手がかりが提供され、主人公と同じ立場に立てることが魅力の一つだと考えています。
今村さんはそうした体験を提供できる小説を書くことを目指していると語っています。

『魔眼の匣の殺人』の口コミは?

murder_house_devils_eye_impressions

『魔眼の匣の殺人』に対する反応は、概ねポジティブながらも様々な意見が交錯しています。

特に高評価を与えた読者からは、予期せぬ展開や登場人物の魅力、そして前作を超えたと感じる面白さに対する賛辞が寄せられています。

一方で低い評価をした読者からは、伏線の使い方が弱い、内容の複雑さによる理解の困難さ、そして謎解き部分の理解しづらさなど、物語の展開や構造への言及が多いようです。

Amazonでは星4.4と高評価ですが評価数がそれほど多くないため、各地のサイトの評価も総合すると、全体的には星4と星5の評価が多数を占めており、多くの読者が作品に満足していることが伺えます。

しかし星2や星1の評価も一定数存在し、特に前作『屍人荘の殺人』のファンからは、本作がその期待を完全に満たすものではなかったとの声が挙がっています。

総じて『魔眼の匣の殺人』は複雑な構造や登場人物の魅力、予想を裏切る展開などで多くの読者を引き込んでいますが、同時にその複雑さが一部の読者には理解しにくい要素となっており、読者によって受け取り方が分かれるようですね。

予想を超える展開に驚きを隠せませんでした。
前作を超える傑作で、感動的なストーリー展開に感服。
キャラクター一人ひとりが魅力的で、深く読み込める作りが素晴らしい。
前作を超えていると断言でき、読後の満足感が半端ない。
次作に対する期待が既に高まっており、発売が待ち遠しい限り。

伏線の使い方が弱く、深みが感じられなかった。
内容が複雑で理解が難しく、最後までスッキリしなかった。
動機や状況が理解しにくく、読みづらさを感じた。
前作の面白さに比べると、今作は精彩を欠くと感じた。

『魔眼の匣の殺人』感想・まとめ

私は前作『屍人荘の殺人』を読んでいたので、続編の『魔眼の匣の殺人』も楽しみにしていました。

まず結論として、前作の方が面白かったと感じましたが、魔眼の匣も十分に満足です。
シリーズファンとしては続きが読めるだけでも結構なありがたみがあって、評価としては大分甘めになっている気がしますね。

今回は予言ということで、今村さんも言っている通りロジカルな複雑さは感じましたけど、個人的には論理的な部分の理解に問題はなかったです。
ただ一部の登場人物の言動に少し根拠が薄い部分があって、もう少し掘り下げがあった方がよいと思う点はありました。

予言自体も上手く話の展開に絡めているなと思う一方で、詳しく書けませんがちょっとモヤモヤした感覚。

読後の感触が良くないという口コミ感想については少し同意です。
というのも、あいつがこんなことしてあの人があんなことになってしまって、あぁ…今村さんどうして…。という気持ち。

気になった点ばかり挙げてしまいましたが、全体的にはかなり満足しています。
3作目の『兇人邸の殺人』もすでに読んでいるのでその内なにか書こうと思います。

<特におすすめしたい方>
前作『屍人荘の殺人』を楽しんだ方
複雑な謎解きが好きなミステリーファン
物語の展開に驚きたい方

一つ留意する点としては、『魔眼の匣の殺人』単独で読んでも話がわからなくなるといったことはないのですが、一部、上手くネタバレをせずに前作『屍人荘の殺人』の内容に触れている部分があります。

続投しているキャラクターもいて関係性も前作から続いているので、もし今の時点で前作を読んでいなく、シリーズや作者に興味を持っている方は、できる限り前作から読むことをお勧めします。

『魔眼の匣の殺人』 – ネタバレ解説考察記事

タイトルとURLをコピーしました